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人生を創る言葉 リンカーン

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1:リンカーン
アメリカ第16代大統領
南北戦争に勝ち、奴隷解放を行い、アメリカの統一を完成させたが56歳の時に暗殺された

◎世には卑しき業なく、ただ卑しき人あるのみ

ある朝、急用でホワイトハウスを訪ねたリンカーンの秘書のジェームズは、案内されて広間に入ろうとした。すると、廊下の片隅で仕切りに靴を磨いている男がいた。秘書は何べなく傍を通り過ぎようとして、あっと驚いて立ち止まった。それというのも、大統領リンカーンがしきりに自分の靴を磨いていたからである。
 ジェームズはリンカーンに向かっていった。
「大統領のご身分でそのようなことをなさるのを人に見られるのは具合が悪うございます。殊に貴婦人方に見られては困ります」
 大統領は田舎丸出しで粗野な態度だ、という陰口を気にしていたので、忠告したのである。
するとリンカーンは、人懐っこい目に笑顔を浮かべながらいった。
「ほう、靴磨きは恥ずかしいことなのかね、ジェームズ君。それは違っていると思うな。大統領も靴磨きも、同じく世のために働くというものだ。世の中に卑しい仕事というものはないはずだ。ただ心の卑しい人はいるものだがね」
こう言ってから朗らかに笑った。そして、まだ靴墨の靴墨のにおいの残っている片手でジェームズの差し出した重要書類を取り上げて、靴を磨いていた時と同じような熱心さでそれを読み始めた__。

ここでリンカーンは、大統領になるのも、どんな仕事をするのも、仕事の価値に変わりはないと教えている。これは実際にアメリカ人の多くが持っている考え方であると思う。
リンカーンといえば「人民の、人民による、人民のための政治(government of the people, by the people, for the people)」というゲティスバーグで行った演説の言葉が有名だが、これは我々がアメリカという国を誤解する一つの大きな理由になったと私は考えている。「ピープル」を「人民」と訳したのは誤訳だと思うのである。
アメリカのピープルは決して人民ではない。人民というと、その対照に貴族や王族がいなくてはならない。しかしアメリカは移民たちが集まって作った社会だから、貴族や王様は存在しない。全員がピープルである。だから日本語にするならば、砕けた言葉だが、「皆の衆」と訳すのが適当だろう。
「皆の衆の、皆の衆による、皆の衆のための政治」
 これこそがリンカーンの逸話の中に示されている民主主義である。大統領も靴磨きも同じピープルであり、その価値に変わりなはない。こういう考えに立った”ピープル”であるからこそ、どのような職業に就いていても、正直に勤勉に立派に勤めれば出世の道が開かれるということになる。そのような機会の平等が保障されているのが、真の民主主義の姿なのである。

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